朝、思ったより冷えていて、あわてて一枚はおった。
昼になったら暑くて、その一枚がじゃまになった。
夕方には、また寒くなっていた。
そんな一日が、つづいていませんか?
なんとなく、だるい。
頭のうしろが重い。
理由もないのに、気分まで下がってくる。
そんなあなたへ。
だいじょうぶ、あなただけじゃないですからね。
からだは、気温よりずっと遅れて動く
朝と昼で、10度ちかく差がある日があります。
服は、着替えれば追いつきます。
でも、からだの中身は、そんなに早く着替えられないんですよね。
温度に合わせて、血のめぐりを変えたり、汗を出したり、しまったり。
からだの中では、ずいぶん細かい調整がおこなわれているのだそうです。
ぼくは専門家ではないので、そのしくみをえらそうに説明することはできません。
ただ、体感としてひとつだけ、はっきり言えることがあります。
一日のなかで温度が何度も動く日は、なんにもしていなくても、へとへとになる。
じっとしていたのに疲れている。
それは、あなたがなまけているからではなくて、からだが、見えないところで働きつづけたからです。
だるさは、さぼった証拠ではなくて、動いていた証拠。
まずここだけ、受けとっておいてほしいなと思います。
気分の上下を、性格の話にしない
ぼくが、この時期にいちばん伝えたいのはここです。
こういう季節は、こころの調子も、上がったり下がったりします。
そこで、「自分はメンタルが弱い」と結論を出してしまわないでください。
かつてのぼくは、からだをただの乗り物だと思っていました。
眠らなくても動く。不調は気合でどうにかなる。そうやって何年も走って、最終的にまるごと止まりました。
アディクションにのみこまれて、部屋から出られなくなって、布団から起きあがれない日々。
やることがないので、そのあいだ、ぼくは自分のからだの感じばかりを見ていました。
そこで、生まれてはじめて気づいたことがあります。
朝のぼくと、夕方のぼくは、まるでちがう生きものでした。
朝は、こころまで冷えている。
昼すぎ、日が入るとすこしマシになる。
夕方、冷えてくると、また下がる。
ぼくがずっと「自分の性格の問題」だと思っていたものの、けっこうな部分が、じつは温度と時間帯の話だったんです。
これは、当時のぼくにとって、かなり大きな発見でした。
自分がダメだから、が、いまは寒いだけかもしれない、に変わったから。
原因を自分の性格に置くと、逃げ場がなくなります。
条件に置くと、手当てができる。
そのほうが、ずっとラクです。
足さない。ぶつかる「差」をへらす
こういう話をすると、すぐに「あれをやりましょう」が増えます。
運動を足す。サプリを足す。早寝を足す。食事を見なおす。
どれも悪いことではありません。
でも、だるいときに新しい習慣を足すのは、たいてい続かないんですよね。
そして続かないと、また自分を責めてしまう。それがいちばんよくない。
なのでぼくは、この時期は引き算でいきます。
つみへらしです。
やることを増やすのではなくて、からだが今日ぶつかる「差」のほうを、そっとへらしてあげる。
今日からできる、3つ
ぜんぶやらなくていいです。ひとつでじゅうぶんです。
① 朝いちばんに、あたたかいものをひとくち(1分)
白湯でも、お茶でも、汁ものでもいいです。
外から着るより先に、内から温度を渡してあげる。ぼくには、こちらのほうが効きました。
特別なものは要りません。カップ一杯、ひとくちからで。
② 「脱げる一枚」を持って出る(30秒)
厚い服を着こむのではなく、脱げる薄いものを一枚、かばんに入れておく。
カーディガンでも、ストールでも、うすい上着でもいいです。
これは、からだに選択肢を渡す作業です。
選択肢があるだけで、こころのざわざわも、ふしぎとすこし減ります。
③ 夜のうちに、あしたの朝いちに着るものを枕元へ(1分)
寒い部屋で、なにを着るか考えるのって、地味にしんどいんですよね。
その決めごとを、前の晩の自分がひとつ引き受けておく。
朝の自分の仕事を、ひとつへらしてあげるだけです。
できなかった日があっても、それでいいんです。
できない日は、それだけからだが休みたいということですから。
そして、しんどさが長くつづくときや、いつもとちがう感じがするときは、ひとりでどうにかしようとせず、あなたのからだを診てくれる人に相談してくださいね。
ここに書いたのは、あくまでぼくの体感の話で、だれにでもあてはまる正解ではありませんから。
天気は変えられないけれど、条件は変えられる
気温差そのものは、どうにもなりません。
ぼくたちにできるのは、そこにぶつかっていく自分の条件を、すこしだけ整えておくことだけです。
そしてこれは、こころの話ともまっすぐつながっています。
起きてしまうことは変えられない。
でも、そこにどう出会うかは、すこしだけ選べる。
今日いちにちを乗りきるコツは、たぶん気合ではなくて、脱げる一枚のほうにあります。
さいごに
季節の変わりめは、からだが黙って残業してくれている時期です。
だから今日は、あたたかいものをひとくち飲むだけでいい。
それだけで、あなたは自分をちゃんと手当てしたことになります。
からだが重い日を、悪い日だと決めなくていいんです。
それは、あなたのからだが、ちゃんと働いてくれている日でもありますから。
焦らず、比べず、背伸びせず。
気温にあわせて、こころのペースも、そっとゆるめていきましょうね。
