半年でできなかったことの数より、ひとつだけつづいたことを数えてみる

9月の終わりって、なんだか胸のあたりがザワザワしませんか?

半年前に決めたこと。

手帳の最初のページに書いた、あの目標。

読み返すのが、ちょっとこわい。

やろうと思っていたのに、やれなかった。

つづけようと思っていたのに、途切れた。

そして「またダメだった」と、こころのなかで小さく採点してしまう。

そんなあなたへ。

だいじょうぶ、あなただけじゃないですからね。

採点をしているのは、いつも自分だけ

ふしぎなもので、上半期の点数を気にしているのって、

だいたい自分ひとりなんですよね。

だれかに「半年間の成果を提出してください」と言われたわけでもないのに、

勝手に採点表をつくって、勝手に赤ペンを入れている。

しかも、その採点表は、ずいぶん意地悪にできています。

できたことは1行も書かれていなくて、

できなかったことだけが、ずらりと並んでいる。

繊細ながんばり屋さんほど、この採点表を几帳面につくります。

まじめだから。ちゃんとしたいから。

でも、そのまじめさが、そのまま自分を削る刃になってしまうことがある。

ぼくが「ゼロ」だと思っていた時期のこと

かつてのぼくは、事業がうまくいかなくなって、

アディクションを抱えて、部屋から出られない時期を過ごしました。

あのころの半年を、当時のぼくは「まるごとゼロ」だと思っていました。

働いていない。稼いでいない。

だれの役にも立っていない。

記録するようなことが、なにひとつ起きていない。

だから、カレンダーを見るのがきらいでした。

時間だけが進んでいく音が、こわかった。

でも、いまふり返ると。

あの半年は、本当にゼロだったんだろうか、と思うんです。

朝、カーテンを開けた日があった。

コップ一杯の水を飲んだ日があった。

死なずに、次の日を迎えていた。

当時のぼくの採点表には、そんなものは1点も入っていませんでした。

点数にならないと思っていたから。

でも、いまのぼくがあるのは、

点数にならなかったあの一つひとつの日のおかげなんですよね。

「できた/できなかった」で切ると、こぼれるもの

半年をふり返るとき、ぼくたちはつい二択で切ってしまいます。

達成したか、しなかったか。

つづいたか、途切れたか。

でも、生きているって、そんなにきれいな二択じゃない。

途中まで進んで、止まって、また少し進んだ。

方向を変えた。あきらめた。あきらめたことで、楽になった。

やらなかったけれど、やらなかったおかげで、こわれずにすんだ。

そういう「点にならないもの」のほうが、

じつは人生をつくっているような気がします。

つみへらし、という言葉をぼくは大切にしています。

足すより、手放す。

半年をふり返るときも、同じでいいと思うんです。

できなかったことを数えて自分に足していくのではなく、

その採点表そのものを、そっと手放してしまう。

あなたは、半年ぶんの成果を提出しなくていい。

だれも、待っていませんから。

「ちゃんと」の正体

「半年、ちゃんとやれなかった」

この「ちゃんと」って、いったい何なんでしょうね。

考えてみると、ぼくたちの「ちゃんと」には、

だいたい基準が書かれていないんです。

どこまでやれば、ちゃんとなのか。

だれと比べて、ちゃんとなのか。

はっきりしないまま、

「まだ足りない」という感覚だけが、ずっと残りつづける。

しかも、この「ちゃんと」は、近づくと逃げます。

半年前に「これができたら満足」と思っていたことを、

もし達成していたとしても。

たぶん今ごろ、次の「まだ足りない」が置かれているはずなんです。

ゴールが動くレースを、ひとりで走っている。

それなら、走っても走っても、しんどいのは当たり前ですよね。

だから、いま必要なのは、もっと走ることじゃなくて、

そのレースから、いったん降りることなのかもしれません。

だいじょうぶ。

降りても、あなたの価値はひとつも減りませんから。

ひとつだけ、数えてみる

とはいえ、ふり返りたい気持ちもありますよね。

だから、数え方だけ変えてみましょう。

今日の3分ワーク。紙でも、スマホのメモでもいいです。

① この半年で「途切れながらも、まだ完全にやめていないこと」をひとつ書く

毎日やれていなくていいです。3回しかやっていなくてもいい。

「まだ、やめてはいない」——それだけで、つづいているうちに入ります。

② それをつづけている自分を、ひとことだけねぎらう

「よく、まだやめてないな」でいいです。

うまく褒めなくていい。ぼそっとで、十分です。

③ 採点表のほうを、閉じる

できなかったことのリストは、書かなくていい。

もう十分、こころのなかで読み返してきましたから。

このワークの目的は、前向きになることじゃありません。

自分を責める手を、いったん止めることです。

やわらかい締め

半年を、ちゃんとやれなかった気がする。

その感覚は、あなたが手を抜かなかった証拠でもあります。

どうでもいい人は、そもそもふり返りません。

だいじょうぶ。

人生というスパンで見れば、結果は自ずと然るべきものがついてきますから。

できなかったことの数ではなく、

まだやめていないことを、ひとつだけ。

そのひとつを持ったまま、10月にトコトコ入っていきましょうね。

Share

X Facebook LINE

こころ

休みが近いのに落ちつかないのは、あなたが「休み下手」だからじゃない

もうすぐ連休。 うれしいはずなのに、なんだかこころが落ちつかない。 そんな感じ、ありませんか? なにか予定を入れたほうがいいんじゃないか。 このまま何もしないで終わったら、もったいないんじゃないか。

こころ

あの日のことを、まだグルグル考えてしまうあなたへ。忘れなくていい、今日のぶんだけ、そっと閉じる

もう終わったことなのに。 頭のなかでは、まだ終わっていない。 あのときの自分の言葉。 相手の、ほんの少しだけ曇った表情。 「ああ言えばよかった」の、何十回目かのやり直し。

こころ

カレンダーをめくっただけなのに、なぜか胸がざわつく

9月になった。 ただ、それだけのことなのに。 なんだか急かされている気がすること、ありませんか? きのうと今日で、なにが変わったわけでもない。 やることも、体調も、たいして変わっていない。