通知をひとつ消すだけで、こころに余白がもどってくる

スマホが鳴るたびに、こころが、ピクッと反応していませんか。

通知の赤い丸が、画面のあちこちに点いていて。見なきゃ、返さなきゃ、追いつかなきゃ。そう思いながら、なんだか、いつも追われている感じがする。

べつに、大した用じゃないのは、わかっている。それでも、鳴ると気になる。気になると、手が伸びる。気づけば、また三十分、溶けている。

そんな自分に、また少し、うんざりしてしまう。

そんなあなたへ。だいじょうぶ、あなただけじゃないですからね。

きょうは、お金もかからない、3分でできる「デジタル断捨離」のお話を、お渡しさせてください。

増やすより、減らす

断捨離というと、引き出しや、クローゼットの片づけを思い浮かべますよね。

でも、いまのぼくたちが、いちばん多くの「モノ」を抱えこんでいるのは、じつは、手のひらのなかかもしれません。アプリ、通知、未読、フォロー、おすすめ。目に見えないのに、こころの場所を、しっかり占領している。

ぼくが大切にしている、つみへらしの考え方は、とてもシンプルです。足すより、手放す。こころが重いときは、新しい何かを始めるより、いま乗っかっているものを、ひとつ降ろす。

スマホも、同じだと思っています。新しい時短アプリを入れる前に。便利なツールを増やす前に。まずは、こころをザワつかせている通知を、ひとつ、そっと消してみる。

通知は、他人のペースで鳴っている

ここで、ひとつ思い出してほしいんです。

スマホの通知って、ほとんどが、あなたが望んだタイミングでは鳴っていません。誰かが投稿したとき。アプリが「そろそろ見てほしい」と思ったとき。つまり、他人の都合で、あなたの注意が、引っぱられている。

禅に『今、ここ』という、いちばん大切な感覚があります。今、目の前のこの瞬間を、まるごと生きる。お茶を飲むなら、お茶を飲むことだけに、こころを置く。

でも、通知が鳴るたびに、ぼくたちのこころは「今、ここ」から、ぴょんと飛んでいってしまいます。ご飯を食べていても、子どもと話していても、こころは画面の向こうへ。からだはここにあるのに、こころは、ここにいない。

通知をひとつ消すというのは、奪われていた「今、ここ」を、ひとつ取り戻すことなんです。

ぼくが、通知をぜんぶ切った日

正直に打ち明けると、かつてのぼくは、通知の奴隷でした。

起業して、走って、走って。連絡を見逃したら終わりだと思って、四六時中、画面をにらんでいました。お風呂にも、トイレにも、枕もとにも、スマホ。反応が来ないと不安で、反応が来ても、もっと不安。

刺激がないと、落ち着かない。でも、刺激に追われて、こころは、すり減っていく。あのころのぼくは、自分でも気づかないうちに、スマホに「生かされている」ような状態でした。

引きこもっていた時期に、ふと、ほとんどの通知を切ってみたんです。最初は、こわかった。何かを見逃すんじゃないか、世界から取り残されるんじゃないか、って。

でも、不思議なことに。何も、起きませんでした。大事な連絡は、ちゃんと自分から見にいけば、間に合う。そして、画面がしずかになったぶん、こころに、すこし余白がもどってきたんです。

ぜんぶ消さなくて、いい

ここで、ひとつだけ。

「通知を全部切りましょう」と言いたいわけでは、ありません。仕事の連絡や、大切な人からのメッセージまで切ったら、かえって不安になりますよね。

つみへらしは、ゼロにすることでは、ないんです。ぜんぶ手放すのではなくて、いちばんザワつくものを、ひとつだけ、そっと降ろす。その「ひとつ」を選ぶことに、意味があります。

今日できる、小さな一歩

むずかしいことは、いりません。3分くらいでできる、デジタル断捨離のワークを、ひとつ。

① スマホを開いて、いま「いちばん、どうでもいい通知」を、ひとつだけ思い浮かべる。たいして見ていないアプリ。なんとなく登録したお店。義務感だけで開くSNS。

② 設定から、その通知だけを、オフにする。アンインストールしなくていい。通知の音と、赤い丸を、消すだけ。

③ オフにしたら、こころのなかで、ひとことつぶやく。「これは、ぼくのペースでいい」。

たったこれだけです。ひとつ消したら、また鳴りはじめるかもしれません。でも、それでいい。明日また、もうひとつ。すこしずつで、だいじょうぶ。

しずかな画面の、向こう側に

通知をひとつ消すというのは、ちっぽけな一歩に見えるかもしれません。

でも、それは、こう宣言することでもあります。「ぼくのこころの主導権は、ぼくが持つ」。他人のペースに、引っぱられっぱなしにはならない、という、小さな決意なんです。

晴れた通知ばかりを追いかけていたころのぼくは、いつも、こころが落ち着きませんでした。でも、画面がしずかになるたびに、ぼくは、自分の呼吸を、すこしずつ取り戻していきました。

焦らず、比べず、追いつこうとせず。鳴り続ける画面から、ひとつだけ、そっと手を放して。今日という一日を、あなたのペースで、トコトコ歩いていきましょうね。

だいじょうぶ。通知を消したくらいで、置いていかれたりは、しませんから。

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