「気の合わない人」と、無理に分かり合わなくていい。

月曜の朝、出勤前にふっと頭をよぎる、あの人の顔。

今日も顔を合わせる。今日もまた、こころのチカラを多めに使う。

「もっと大人にならなきゃ」

「ちゃんと分かり合えるはず」

「ぼくが頑張れば、関係はよくなる」

そんなふうに、自分に言い聞かせて月曜を迎えていませんか?

そんなあなたへ。

だいじょうぶ、あなただけじゃないですからね。

ぼくも長らく、「気の合わない人とも、ちゃんと分かり合うのが大人」だと信じていました。

仕事だから、相手のあるところに自分の波長を合わせるのが当たり前。

苦手意識を持つ自分が、未熟。

分かり合えないのは、ぼくの努力が足りないから。

そのフィルターでぼくは、何年も自分を追い詰めました。

苦手な人と話すたびに、こころのバッテリーが大きく減っていく。

家に帰っても、夕飯の味がしない。布団に入っても、その人の声が頭の中で再生される。

気づくと、苦手な人ひとりに、人生の何時間も明け渡している自分がいました。

長くかかって、ようやく分かったのは、こういうことです。

気の合わない人と分かり合おうとするほど、いちばん大事な「気の合う人」との時間が、薄まっていく。

ぼくの優先順位の付け方が、根本から逆さまだったんです。

『相利共生』(そうりきょうせい)。

これは禅というより、もう少し広い言葉ですが、

お互いに利になる関係のなかで、しなやかに共に生きる、という意味で使われます。

すべての人と利になる必要はない。

相利になりにくい人とは、無理に深く関わらない、という選択も、ちゃんと「共生」のかたち。

今日の小さな一歩は、二つ。

ひとつ、「ちゃんと分かり合う」をいったん降ろす。

今日のあの人とは「業務上、必要なところだけ、丁寧に。それ以外は、こころを開かない」と決める。

ふたつ、その人にとられそうな時間を、先に守る。

帰り道に好きな音楽を聴く、行きつけの店で5分だけお茶を飲む、家に着く前に深呼吸する。

あなたのこころを回復させる時間を、月曜の予定の中に、先に組み込んでおく。

苦手な人にも、ぼくたちは礼を尽くせる。

ただ、こころまで明け渡さなくていい。

距離は、嫌いになることではなく、お互いを長くつぶさないための、しずかな技術です。

焦らず、比べず、背伸びせず。

今週は、こころのバッテリーを守りながら、トコトコ歩いていきましょうね。

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